「任意」の呼び出しでも、対応を誤ると逮捕や起訴につながります
TRAFFIC ACCIDENT
警察から電話で「〇〇の件で話を聞きたいので署まで来てほしい」と言われた。自宅に出頭を求める手紙が届いた。身に覚えがある方も、ない方も、まず知っておいていただきたいことが2つあります。ひとつは、呼び出しは原則として任意で、応じる法律上の義務はないこと。もうひとつは、だからといって無視してよいわけではなく、正当な理由なく応じないでいると「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」として逮捕の理由に使われることがある、ということです。
多くの事件は、逮捕されないまま「在宅事件」として捜査が進みます。この段階で何を話し、何を準備するかが、不起訴になるか起訴されるかに直結します。取調べを受けてから相談に来られる方が多いのですが、できれば行く前にご相談ください。
呼び出しの電話で確認しておきたいこと
| 確認すること | なぜ重要か |
|---|---|
| 被疑者としてか、参考人としてか | 被疑者なら取調べの前に黙秘権の告知があります。参考人のつもりで行って被疑者扱いだった、ということも少なくありません |
| 何の事件(罪名・日時)についてか | 被害者のいる事件なら示談の準備が、身に覚えがなければ反証の準備が必要です |
| 日時の調整はできるか | 弁護士に相談してから行く時間を確保します。多くの場合、数日〜1週間程度の調整には応じてもらえます |
| 持参するもの | 携帯電話やパソコンの提出を求められることがあります。任意提出は断ることもできます |
「逮捕するつもりか」と聞いても直接は答えてもらえないことがほとんどですが、日程調整に応じる事件は、在宅のまま進む可能性が高いといえます。
こんなときはご相談ください
- 警察から電話や手紙で呼び出された
- 職務質問や事情聴取の場で「任意同行」を求められた
- 身に覚えのないことで疑われている
- 相手に「警察に被害届を出す」と言われている、または出されたと聞いた
- 一度取調べを受け、調書に署名を求められている
取調べで守ってほしい4つのこと
取調べは、警察官が「事件の筋書き」を確認する場です。あなたの言葉は供述調書という書面になり、後の処分を決める材料になります。次の4つを守ってください。
- 嘘をつかない。ただし、話したくないことは話さなくてよい。黙秘権は憲法で保障された権利で、黙秘したこと自体を理由に不利に扱うことはできません。一方で、嘘は後で必ず矛盾し、「反省していない」と評価されます。
- 調書は必ず読み返し、違うところは訂正を求める。供述調書は警察官が作文します。ニュアンスが違えば訂正を求め、応じてもらえなければ署名・押印を断ることができます(刑事訴訟法198条5項)。一度署名した調書を後から覆すのは非常に困難です。
- 記憶と推測を分ける。「たぶんそうだったと思います」が、調書では「〜しました」という断定になりがちです。覚えていないことは「覚えていない」と答えてください。
- 取調べの内容をその日のうちにメモし、弁護士に共有する。何を聞かれ、どう答えたかの記録が、次回以降の対応と弁護活動の土台になります。
「認めれば今日中に帰れる」「素直に話せば軽く済む」と言われることがあります。事実であれば認めることが最善の場合も多いのですが、その判断は取調室の中でその場でするものではありません。いったん持ち帰る、あるいは弁護士と相談してから次回答える、という対応は可能です。
現在の日本の制度では、弁護士が取調室に同席することは原則として認められていません。そのためご依頼いただいた場合は、取調べの前に想定される質問と答え方を一緒に整理し、取調べの後には聞かれた内容を振り返って、次の取調べに備えます。
在宅事件の流れと、逮捕されないためにできること
逮捕されずに進む在宅事件は、おおむね次のように進みます。警察での取調べ(1回〜数回)、書類送検(事件記録を検察庁へ送る)、検察官による取調べ、起訴・不起訴の判断。期間は数か月から、長いと1年以上かかることもあります。「書類送検された」という報道を見て「起訴された」と誤解される方がいますが、送検は捜査の通過点で、送検された後に不起訴(起訴猶予)となる事件もあります。
逮捕には「逃亡のおそれ」か「証拠隠滅のおそれ」が必要です。裏を返せば、この2つがないことを示せば、在宅のまま進む可能性が高くなります。具体的には、呼び出しにきちんと応じること、住所と連絡先を明らかにしておくこと、被害者や関係者に直接連絡しないこと(示談は弁護士を通します)、SNSで事件について書かないこと、証拠になりうる物を処分しないことです。弁護士がついている場合は、弁護士から警察・検察に「身元引受人がいて、逃亡も証拠隠滅もしない」ことを書面で伝え、逮捕の必要がないことを示します。
不起訴に向けては、被害者のいる事件であれば示談が最も大きな要素です。被害者のいない事件(薬物、無免許運転など)では、再発防止の取り組みを具体的な形にして検察官に示します。いずれも、検察官が起訴・不起訴を判断する前に、弁護士から意見書と資料を提出します。
ご相談の流れ・費用・よくあるご質問
ご相談から解決まで
- お電話・フォーム・LINEでご連絡(呼び出しの日程が決まる前が理想ですが、前日・当日でも構いません)
- 初回相談(無料):何があったのか、警察から何を言われたのかを伺い、想定される罪名、逮捕の可能性、処分の見通し、取調べでの受け答えを整理します
- ご依頼:警察・検察との連絡窓口を弁護士が引き受けます。取調べの前後の打ち合わせ。被害者がいれば示談交渉に着手
- 検察官への意見書・資料の提出。不起訴、略式手続(罰金)、起訴のいずれかの判断が出ます
弁護士費用
初回相談は無料です。身柄拘束のない在宅事件の着手金は、事実を認めている事件で22万円〜、否認している事件で44万円〜(税込)。報酬金は不起訴で33万円〜、略式起訴(罰金)で22万円〜です。ご依頼前に書面でご説明し、ご家族が負担される契約にも対応します。詳しくは費用ページをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 呼び出しを断ることはできますか?
A. 任意ですので法律上の義務はありません。ただし、正当な理由なく拒み続けると、逮捕状を請求する理由にされることがあります。現実的には、日程を調整してもらい、弁護士に相談したうえで応じるのが最も安全です。
Q. 呼び出された日に、そのまま逮捕されることはありますか?
A. 日程調整に応じてもらえる事件は、在宅のまま進むことが多いです。ただし、否認している、重大事件である、被害者と接触した疑いがある、といった場合は逮捕されることもあります。ご依頼いただければ、事前に弁護士から警察に連絡し、逃亡も証拠隠滅もしないことを伝えて逮捕の必要がないことを示します。
Q. 取調べに弁護士は同席できますか?
A. 現在の制度では原則として認められていません。そのため、取調べ前の打ち合わせと、取調べ後の振り返りで対応します。
Q. 会社に知られますか?
A. 在宅事件では、警察から勤務先に連絡が行くことは原則ありません。平日日中の呼び出しには、有給休暇などで対応される方がほとんどです。
Q. 身に覚えがありません。それでも行くべきですか?
A. 行かないと「逃げている」と受け取られかねません。ただ、身に覚えのない事件ほど、取調べでの受け答えが重要です。必ず事前にご相談ください。
関連ページ:ご家族が逮捕されたら/示談交渉/刑事事件のご相談トップ/刑事事件の解決事例/弁護士費用/よくある質問
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